【うなぎの雑学(食文化と習性)】
1.うなぎの割き方
関東は「背開き」、関西は「腹開き」
江戸では「切腹」を連想させて縁起が悪いので背開きという説がある。
他の魚は全国統一で腹開きであるのに・・・。関東は背開きし背骨と内臓、頭を落とし半身にして竹串に刺し余分な脂分を取りやわらかくするため「蒸し」が入る。関西は腹開きし頭を付けたまま、まるごと金串に数匹刺して焼き上げる。
一筆啓上(私)は、カッターナイフ(OLFA CRAFT KNIFE-L)で背開きし、竹串に刺し「白焼き」→「蒸し」→「蒲焼き」が好みである。(いろいろ試して見たが今はこの方法に落ち着いている。)
2.名古屋の「櫃まぶし」
名古屋の「櫃まぶし」はお櫃の中にご飯を入れ細かく刻んだうなぎの蒲焼を加えてよくかき混ぜ、お櫃から一膳ずつ茶碗に取り分けて食べる料理。熱田神宮脇の鰻店が起源。天然うなぎは大きさや質のばらつきが大きく部位によっては食感が異なるため、蒲焼の不公平をなくすために賄い料理として大きな櫃に入れてよくかき混ぜ食べていたものを客にも提供する様になったもの。
①一膳目はそのまま
②二膳目はネギ、ワサビなどの薬味を入れる
③三膳目はお茶漬けにする。
3.大阪の「まむし」
大阪のうな丼の「まむし」と呼ぶものはごはんの間に挟んで蒸すため。
「蒸す」工程のない大阪でも、ご飯の間に蒲焼を入れることでパリッとした食感よりも関西に近い仕上がりとなる。
4.うなぎの寝床
河岸の穴、岩陰、石の下、水中の倒木、泥中の巣穴などに住みついているところ。「負の走性」(光を嫌う性質)と正の走触性」(接触を好む性質)を満たすところがウナギの寝床。
5.土用の丑の日にうなぎを食べる習慣
平賀源内が考案した「本日、土用丑の日」という宣伝文句が始まり。
6.うなぎの記録
ニホンウナギの最大は140cm 4.6kg
ニュージーランドオオウナギは2m近くまで大きくなる。
7.鰻職人の修行の奥深さを表す格言
「串打ち三年、割き八年、焼き一生」
8.絶品と言われる「アオウナギ」とは
汽水域に出現する口が細くて背側が青や青緑色のウナギ。
9.うなぎは海でも川でも暮らせる
体の浸透圧を調整する能力が高い。淡水時は水をほとんど飲まず、塩類を鰓から取り込む。 塩水時は水を飲み塩類を鰓から排出。